オペラ「みづち」
みづち
会 場:滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール
日 程:2025年6月28日(土)、29日(日)
主催:いのち・ちきゅう・みらいプロジェクト実行委員会
危機からの創生
二〇〇〇年
「自然との共生」をテーマにオペラ「みづち」を書き上げた
その頃 これ以上の文明は私には必要ないと決断し
森に住み 自然と対話する生き方を始めていた
今も 森に暮らす日々 私の生き方はあの頃と少しも変わらない
この二十数年間で私の生活に持ち込まれたのは
携帯電話とパソコンが加わったことであろうか
人類の限りない欲望のつけは
そう遠くない未来にまわって来るであろうと密かに危惧していたが
私の思いより遥かに速い速度で地球温暖化は進んでいたのである
昨今 気候変動による災害は想像を絶するほどに大きい
まるでパンドラの箱を開けたような化石燃料の出現は
わずか二百年で地球に住む人類を破滅へと導いている
地球がもたらしてくれた奇跡ともいえる環境を
わずか百年ほどの間に破壊し続けているのが現状である
「自然との共生」をテーマにオペラ「みづち」を書き上げた
その頃 これ以上の文明は私には必要ないと決断し
森に住み 自然と対話する生き方を始めていた
今も 森に暮らす日々 私の生き方はあの頃と少しも変わらない
この二十数年間で私の生活に持ち込まれたのは
携帯電話とパソコンが加わったことであろうか
人類の限りない欲望のつけは
そう遠くない未来にまわって来るであろうと密かに危惧していたが
私の思いより遥かに速い速度で地球温暖化は進んでいたのである
昨今 気候変動による災害は想像を絶するほどに大きい
まるでパンドラの箱を開けたような化石燃料の出現は
わずか二百年で地球に住む人類を破滅へと導いている
地球がもたらしてくれた奇跡ともいえる環境を
わずか百年ほどの間に破壊し続けているのが現状である
地球上の七十七億人の人類にとって
このまま化石燃料に頼る生き方を変えなければもはや未来はない
また 人類に寄り添うような感染症は
時として今回のような新型ウイルスとなり勢力を増すが
それを抑える叡智は持ち合わせるであろう
しかし
現代文明という名のもとに地球を破壊し続けた傷跡は
癒えることはないのである
日本民族が持つ自然への畏敬の念
自然の恵みを分かち合う文化
その美しい魂は「美しいふるさと」育み
やがて「美しい国」「美しい地球」へと導くことにちがいない
小さな国日本が「美しい国」としての手本となることを願い
オペラ「みづち」を発信し続けたい
このまま化石燃料に頼る生き方を変えなければもはや未来はない
また 人類に寄り添うような感染症は
時として今回のような新型ウイルスとなり勢力を増すが
それを抑える叡智は持ち合わせるであろう
しかし
現代文明という名のもとに地球を破壊し続けた傷跡は
癒えることはないのである
日本民族が持つ自然への畏敬の念
自然の恵みを分かち合う文化
その美しい魂は「美しいふるさと」育み
やがて「美しい国」「美しい地球」へと導くことにちがいない
小さな国日本が「美しい国」としての手本となることを願い
オペラ「みづち」を発信し続けたい
丹治富美子
みづちとは
このオペラのタイトル「みづち」の由来であるが、
「みずち」とは四つの足を持ち、頭には角があり、
体は鱗で覆われた蛇に似た想像上の動物である。
毒を吐いて人間に害を及ぼすとされ怖れられていたらしい。
「みずち」は広く一般にこのように周知されている言葉である。
オペラ「みづち」は、
自然の営みの中で生きることを遠ざける文明のあり方を憂い、
警鐘を鳴らす思いの限りを
音楽の総合芸術であるオペラに託したものである。
「みづち」は古典からその語源を探ることができる。
「み」は水を表し、「つ」は現代語では「の」を表す助詞である。
「ち」は霊であり、「みづち」は水の精霊ということになるのである。
このオペラの中では「みづち」は水を司る自然界の神と位置づけた。
四季折々にふる雨や雪が、地中深くしみ入り、
遥かなる時を経て、再び地上にあふれ出る摂理を知る時、
水はすべての生物に与えられる地球の魂の雫に思えてならない。
生物の起源をたどれば、
それは想像をはるかに超える時を隔てた海からの誕生であり、
我々人間が今、個として存在しうるのも水の惑星と言われる、
母なる地球から受けた命なのである。
「みづち」は、
人類が万物の上に君臨し地球を支配しているというおごりを棄て、
この母なる地球上に生かされているということを気づくために
この世に送り出したメッセンジャーである。
遥かなる時を経て、再び地上にあふれ出る摂理を知る時、
水はすべての生物に与えられる地球の魂の雫に思えてならない。
生物の起源をたどれば、
それは想像をはるかに超える時を隔てた海からの誕生であり、
我々人間が今、個として存在しうるのも水の惑星と言われる、
母なる地球から受けた命なのである。
「みづち」は、
人類が万物の上に君臨し地球を支配しているというおごりを棄て、
この母なる地球上に生かされているということを気づくために
この世に送り出したメッセンジャーである。
丹治富美子
丹治富美子(たんぢふみこ)
NPO法人アースウォッチ・ジャパン プログラム検討委員、元東京農業大学非常勤講師、香道古心流・丹治瑛峰、元日韓音楽交流会会長、日本風土学会会員
五感で読む「源氏物語」の研究をライフワークとし、森に生きることを通して大自然の中で「美しく生きる」ことを探求し、詩、随筆やオペラなどに表現している。
「土木施工」(山海堂刊)に「風の記憶」を連載。科学雑誌「Science Window」にエッセイ「風の譜」を連載。森林再生プロジェクトの情報誌「森の鼓動」に「木精する森」を連載。
音と文学を融合した歌物語『髪の章』『露の章』他、詩は国内外で作曲される。
南相木ダムに歌物語「水底の詩」が21基の歌碑に刻まれる。
地球環境を脅かす現代文明への警鐘「三千年の未来へのメッセージ」を託したオペラ『みづち』の脚本を創作。高崎市立桜山小学校校歌、群馬県立清明高等学校校歌を作詞。
東京農業大学・地域環境科学部にて「いにしへに学ぶ」を講義。(2008年~2016年)
森林関係者の機関誌「山林」(大日本山林会)に「森の採譜」を連載中。(2011.4~)
五感で読む「源氏物語」の研究をライフワークとし、森に生きることを通して大自然の中で「美しく生きる」ことを探求し、詩、随筆やオペラなどに表現している。
「土木施工」(山海堂刊)に「風の記憶」を連載。科学雑誌「Science Window」にエッセイ「風の譜」を連載。森林再生プロジェクトの情報誌「森の鼓動」に「木精する森」を連載。
音と文学を融合した歌物語『髪の章』『露の章』他、詩は国内外で作曲される。
南相木ダムに歌物語「水底の詩」が21基の歌碑に刻まれる。
地球環境を脅かす現代文明への警鐘「三千年の未来へのメッセージ」を託したオペラ『みづち』の脚本を創作。高崎市立桜山小学校校歌、群馬県立清明高等学校校歌を作詞。
東京農業大学・地域環境科学部にて「いにしへに学ぶ」を講義。(2008年~2016年)
森林関係者の機関誌「山林」(大日本山林会)に「森の採譜」を連載中。(2011.4~)
富貴晴美
富貴晴美(ふうきはるみ)
作曲家・ピアニスト。1985年大阪府出身。国立音楽大学作曲専攻首席卒業。同大学院修了。2013年『わが母の記』で第36回日本アカデミー賞優秀音楽賞を最年少で受賞。その後第39回『日本のいちばん長い日』、第41回『関ケ原』で3度目の同賞を受賞。NHK連続テレビ小説「マッサン」の音楽を担当後、大河ドラマ「西郷どん」、連続テレビ小説「舞いあがれ!」等。主な作品として、アニメ「ピアノの森」「ツルネ ―風舞高校弓道部― 」、映画『老後の資金がありません!』『そして、バトンは渡された』『総理の夫』『鹿の王 ユナと約束の旅』『かがみの孤城』『九十歳。何がめでたい』『アイミタガイ』、劇団四季オリジナルミュージカル「バケモノの子」(青木豪演出)、「ゴースト&レディ」(スコット・シュワルツ演出)など。CM音楽多数。国立音楽大学音楽研究科作曲専攻准教授(2024年3月~)
下野竜也
下野竜也(しものたつや)
鹿児島生まれ。2000年東京国際音楽コンクール、2001年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝。NHK交響楽団をはじめ国内の主要オーケストラの定期演奏会に毎年のように招かれる一方、ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管、チェコ・フィル、サンノゼ響、シンフォニア・ヴァルソヴィア、バルセロナ響をはじめとした国際舞台でも活躍している。オペラにおいても新国立劇場、二期会、日生劇場をはじめ注目の公演で指揮を務めている。
2011年から広島ウインドオーケストラ音楽監督、2023年10月、NHK交響楽団正指揮者に就任。2024年4月、札幌交響楽団首席客演指揮者ならびに広島交響楽団桂冠指揮者に就任。
これまでに読売日本交響楽団正指揮者、同首席客演指揮者、京都市交響楽団常任首席客演指揮者、広島交響楽団音楽総監督を歴任。
東京藝術大学、東京音楽大学にて後進の指導にもあたる。
齋藤秀雄メモリアル基金賞、芸術選奨文部科学大臣賞、東燃ゼネラル音楽賞奨励賞、有馬賞、広島市民賞、中国文化賞など受賞多数。
鹿児島市ふるさと大使。
NHK大河ドラマテーマ曲収録(これまでに6作品)、NHKFM「吹奏楽のひびき」パーソナリティを務めるなど、放送においても活躍している。
岩田達宗
岩田達宗(いわたたつじ)
東京外国語大学フランス語学科卒業。劇団「第三舞台」を経て、舞台監督集団ザ・スタッフに参加し、オペラの舞台製作にかかわる。
1991年より栗山昌良氏に演出助手として師事。96年湘南台市民シアターでの「霊媒」でデビュー。その後五島記念文化財団奨学生としてヨーロッパ各地で研鑽を積む。帰国後、本格的に演出家として活動を始め日生劇場、新国立劇場、びわ湖ホール、藤原歌劇団、いずみホール、愛知県芸術劇場、東京文化会館、藤沢市民オペラ、札幌hitaruオペラプロジェクト、日本オペラ協会、コレギウム・ムジクム、神戸市演奏協会、ひろしまオペラルネッサンスなど、日本各地のオペラ・プロダクションを手掛け、新古典主義の作品から現代の日本オペラまで数多くの公演で歌手を活かす効果的な舞台造りで聴衆を魅了している。 独創的で卓抜なアイディアによる高次元の舞台作りは常に話題となり、現在日本を代表するオペラ演出家の一人として多忙な演出活動を展開している。
21年より「ひろしまオペラルネッサンス」の芸術監督を務める。 第7回五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。06年度音楽クリティック・クラブ賞受賞。
大阪音楽大学客員教授。武蔵野音楽大学特任教授。兵庫県出身。